普通免許取るならAT、MTどっちにするべきなのか

オートマチック限定免許というものが作られたのが平成初期らしいが、今では新しく普通免許を取得するなかで6割くらいの人がAT限定を選ぶという統計が出ている。

私の考えとしては、近いうちにマニュアル車を運転する予定がない方については、AT限定を取得しておくのが無難であり、コスト的にも合理的だと思う。今日はその理由について説明したい。

教習費用はどのくらい違うのか

普通免許の規定教習時限は、第1段階(場内)が、MT免許が15時間、AT免許が12時間となっており、たった3時間の差である。ちなみに第2段階(路上)はどちらも19時間で同じである。以下の表に普通免許の技能時限数をまとめた。

  第1段階 第2段階 合計
普通AT限定免許 12時限 19時限 31時限
普通MT免許 15時限 19時限 34時限

1時間の教習料金を5千円とすると、3時間の差はすなわち1万5千円くらいの差になると思われるが、実際にはそれ以上になることもある。というのは、規定時限数以上の時間がかかる可能性があるからだ。

マニュアル車の運転はクラッチペダルとシフトレバーの操作が必要になり、アクセルとブレーキだけで済むオートマチック車と比べると格段に難しくなる。規定教習時限はATよりも3時間長い15時間となっているが、15時間でマスターして修了検定を受けれるレベルに達するかについては個人差がある。

規定時限というのは、教習が順調に進捗した場合はその時間数履修すれば検定を受検できるというものであり、ようするに上達が微妙であれば教官の裁量で延長されることになる。その場合は1時間に5千円くらいの追加料金が発生する。

規定時限で終わる人も多いが、1~2時間延長になってしまう人も結構多い。その程度ならまだいいが、中には5時間とか10時間とか延びてしまう人もいて、10時間延びれば5万円以上かかってしまう。さらに、修了検定や卒業検定に落ちてしまった場合は補習を最低1時間受けなければならず、それに加えて検定料金も発生するので最低1万円はかかると思っていいだろう。

一方でAT限定免許の場合は1段階が規定12時限であるが、概ねの人がこの時間数で終わるというわけでもなく、あくまでも個人差があることなので、中には延びてしまう人もいる。ただ、そうは言っても操作は圧倒的にオートマチック車の方が簡単である。

そもそもMT車とはどんなものか

ATとはAutomatic Transmission(オートマチック・トランスミッション)の略、MTとはManual Transmission(マニュアル・トランスミッション)の略である。

トランスミッションとは変速機のことであり、エンジンの回転を適切なトルクや回転数に変換して車軸に伝えるための装置である。発進するときには大きなトルクが必要となるが、高速走行するときには低いエンジン回転でより多く車軸を回した方が燃費がよくなる、という風に乗り物において変速機は必須なのであある。もちろん自転車にも付いている。

さて、AT免許かMT免許か選ぶのに迷っている時点で、もしMT免許が具体的にどんなものか分からないのであれば、それを選ぶ必要など全くない。多くの教習所の中の人たちから最近多く聞かれることだが、「友達がMTを選んだから」とか「親がMTにしなさいと言ったから」とか、そういう理由でMTを選ぶ人がとても多いそうだ。親しい人でMT車に乗っている人がいるのかい?と聞くと「いや、みんなオートマに乗っています。MT車は今ここで初めて見ました」と答える人があまりにも多いそうだ。要するにMT車とはどんな乗り物なのか、ギアとは、クラッチとは何なのかを知らずに選ぶ人がほとんどなのだ。

マニュアル車とは、要するにギアチェンジを全て手動で行わなければならない、実に面倒な車である。自転車に乗る方ならわかると思うが、安い自転車でも3段、高級なロードバイクであれば24段くらいの変速機が付いているだろう。自動車も同じで内部に変速機を持っていて、エンジンの回転をより効率的に車軸に伝えているのである。オートマチック車であれば、アクセル開度や速度から自動的にギアが選択され、変速されるが、マニュアル車はドライバーがタイミングよくギアチェンジをしなければならない。その際には、左足でクラッチペダルを踏むことによってエンジンの動力を遮断してからギアチェンジを行い、その後クラッチペダルを戻してクラッチを繋ぐという操作が必要になるが、上り坂などにおいてはより迅速に操作しなければならず、実に面倒である。

詳しく知りたい方は、ググればいくらでも出てくるし、YouTubeで分かりやすい動画もあるだろう。TBSで日曜日にやっている下町ロケットでも「トランスミッション」の映像がたびたび出てくるが、MT車はまさにあれを手動で操作するということである。

以上に書いたことを読んでそこそこ理解できたし、マニュアル車面白そうだなって人はMT免許を選んでもいいと思う。一方で、よく分からなかった人はAT限定免許にしておいた方が無難だと思う。

私も昔は好きでマニュアル車を使っていたが、今はオートマチック車である。というのも今の車を買おうとしたときに、マニュアル車のグレードが存在しなかったのである。たまに畑仕事で使う軽トラックやトラクターはマニュアル車だし、仕事でトラックに乗ることもあるが、そういう用事がなければMTに乗る機会は皆無である。18歳で免許を取ったときに家に軽トラックがあったし、それなりにクルマが好きだったとのでMTを選んだが、周りの友達はATを選ぶ人も既に多かったように覚えている。

ちなみに、国内で販売されている普通乗用車のほとんど全てがオートマチック車である。マニュアル車なんて一部のスポーツカーと軽トラックくらいしかグレードが存在しない。

MT免許の教習をAT限定に移行することもできる

MT免許で教習をスタートしてしまったが、やっぱり難しいし、時間も延びそうなのでAT限定免許にすればよかった!という人もいるだろう。その場合は、教習所の窓口でATに移行したいと伝えれば、その次の技能教習の時間からATで受けることができる。それまでにMT車で受けた教習項目はすべて引き継がれて、続きからAT車で受けることができるのである。

多くの教習所でもちろん追加費用はかからないが、もし逆に15時限未満で終わってしまった場合も、差額の返金はしてくれないことが多い。最初からAT限定で受けた場合と比べて1万5千円ほど損をしてしまうが、MTで頑張り続けて延びまくることを考えれば、手を打つなら早いほうがいい。

また、いったんAT限定に移行してしまうと、二度とMTの教習に戻ることはできない。その場合はまずAT免許を取得した後で、AT限定解除の審査を受ける必要がある。

AT限定免許を「限定解除」してMT免許にすることもできる

AT限定免許で取ったけど、やっぱり仕事でMT車を乗らなきゃならない、ということになったら、AT限定解除という教習を受ける必要がある。

技能教習が最短4時限、それから審査(検定みたいなのも)を受ける必要があり、教習所によるが安くて6万円程度と思われる。普段AT車を運転していて慣れているとは言っても、たった4時間でクラッチやシフトレバーの操作を習得しなければならず、場合によっては延長になることもある。もし、MT車を持っている知り合いがいて、広大な私有地があるなら、ある程度練習してから行った方がいいかもしれない。

また、限定解除の審査というのは教習所だけではなく、免許センターでも受検できる。奇跡的に1回で受かればかなり安く済ませることができる。5回受けたら、交通費とかも考えると、教習所に通っておいた方がよかった…となるかもしれない。

こんな人はMT免許を取ろう

  • 自宅や実家にマニュアル車がある。
    家にある全ての車を動かせた方が何かと便利。
  • 親しい友人にマニュアル車に乗っている人がいる。
    運転を交替できた方がありがたい。
  • コストが多少高くなってもいいし、教習が少し伸びてしまっても構わない。
  • 建設業、運送業、農業などに従事する予定である。
  • 乗りたい車が決まっていて、それがマニュアル車である。
  • バスやトラックの運転手になりたいので、いずれ大型免許や大型二種免許を取得したいと思っている。
    AT限定免許から上位の免許を取れないことはないが時限数が多くなるし、難易度も高い。そのような予定があるならMT免許を取っておいた方が無難。

こんな人はAT限定免許を取ろう

  • 家にマニュアル車がない。
  • 今までにマニュアル車の助手席に乗ったことが一度もない。
  • 少しでも免許取得費用を安く抑えたい。
  • 教習が延びてしまうのは困る。短期間で取りたい。
  • クルマは趣味ではなく、移動手段のひとつ。
  • 自転車に乗ることもあるが、面倒だからめったにギアチェンジしない。
  • この記事を読んでよく分からなかった。

というわけで、今日はMT免許とAT限定免許についてのお話しでした。何か質問があればお気軽にコメントください。

合宿免許と通学免許の違いって?どっちがいいの?

これから運転免許を取ろうと思っている人にとっては、どのようにして免許を取るかという選択肢がいくつかあることだろう。各都道府県の運転免許センターで外来試験(一発試験とも言われる)を受験するという非常にリーズナブルかつ難易度バリ高の方法もあるが、多くの人は教習所や自動車学校に通う方法を選ぶ。ちなみに教習所と自動車学校は同じものと考えてもらって構わない。そして、教習所と一口に言っても、合宿免許と通学免許があるのだが、最近の人気はやはり合宿免許だ。

合宿免許なら短期間で取得できる

普通免許のAT限定であれば、なんと最短14日間で取得可能だ。最短というのは教習が規定時間で修了して、終了検定、仮免許学科試験、卒業検定をすべて1回で合格した場合の日数である。自動車学校によっては最短15日間で組んでいることもあるが、いずれにしても通学免許に通うよりは圧倒的に短期間で免許取得が可能になる。

逆にいうと、合宿免許に参加している間は自動車学校に拘束されることになる。つまり、指定されたスケジュール通りに教習を受けなければならない。自動車学校の都合で予定を変更されることはよくあるが、自分の都合で予定を変更してもらうことは原則できない。どうしても急用ができて一時的に帰るとなれば、それなりの手数料を取られるだろう。合宿免許とはそういうサービスである。

ちなみに、朝から晩まで1時間も休みなしで教習が入ることはない。1日当たりの技能教習の時限数には法律上の制限があり、第1段階(場内)は1日2時間まで、第2段階(路上)は1日3時間までと決められているからである。うまい具合に空き時間がまとまれば、近所を散策したり温泉に行ったりするくらいはできるだろう。

対して通学免許の場合、自分の都合に合わせて予定を組むことができる。夜だけがいいとか、休日だけがいいとかも聞いてくれる。そもそも、教習を1時間受け終わるごとに、次回の予約を取らなければならない(歯科医院をイメージしてもらったらいいだろう)。ところが、土日や夜間は人気の時間帯であり、予約がなかなか取れず、卒業まで多くの期間を要することになる。そのため、高額なオプション料金を払って、次回より先の予約を取らなければならないのである。

もちろん、すべての通学免許がそのようなシステムになってるわけではない。申し込み時に卒業までの予定をすべて取ってくれる自動車学校もある。合宿免許もやっているような比較的地方の教習所はそのような良心的なところが多いように思う。そうは言っても、もしなるべく短期間で終わらせたいなら、少しでも早めに申し込んだろうがいいだろう。

合宿免許は非常に安い時期もある

合宿免許の料金相場は時期によって変動する。一番高い時期は学生さんが長期休暇となる、2~3月、8~9月である。AT限定で30万円を超える。逆にそれ以外の時期、例えば11月なんかは安いところは20万円くらいになる。また、多くの場合、宿泊費や食事代が含まれているほか、教習が延びたり検定に落ちてしまった場合の追加料金も発生しないプランになっているはずだ。

一方で通学免許の場合はシーズンによって変動することはないが、安いところでもAT限定で25万円くらいはかかる。さらに、休日や夜間に割増料金が発生したり、延びてしまった場合の追加料金も発生する。また、先に述べたように、次回より先の予約を取るためにオプション料金を取る教習所もある。

合宿免許と通学免許どっちがいいかは人それぞれ

閑散期といわれる4~7月、10~12月に3週間ほどの長期休暇が取れるのであれば、合宿免許がおすすめである。3週間というのは、教習が延びてしまって卒業予定日に帰れないこともあることを考慮してのことである。知らないところで知らない人たちと集団生活はちょっと…という人もいるだろうが、思ったほど集団生活ではないし、ちゃんとした教習所を選べば意外と快適である。大きいベッドのシングルルームに洗濯機や冷蔵庫も完備、1日3食付き、フィットネスジムや温泉を併設している教習所もある。どこの教習所も少子化でお客さんが減りまくりで差別化に必死なのだろう。

また、学生さんにとっては、長期休みに友達と旅行気分で免許を取りに行くというのもいいだろう。繁忙期となれば料金は閑散期より10万円以上高くなるが、免許も取れて、快適な食事付きの生活が提供されるのだから、そう考えたら高くないかもしれない。

一方で、3週間なんてどうしても予定を空けれないとか、週に2日しか通えないという人は通学免許を選ぶしかない。教習所により料金やサービスにかなりの差があるので、よく調べて教習所を選ぶことをお勧めする。無料の送迎バスがあることは必須条件である。なければ電車やバスで通うことになり、結構高くつく。それから、意外な盲点なのだが、教習所にWi-Fiが飛んでいることも重要だ。3時間以上連続して技能教習を受けてはいけないなどの法律上の縛りがあったり、帰りの送迎バスの時間がまばらだったりと、結構空き時間ができてしまうものだ。

というわけで、弊ブログの1つめの記事はここまで。今後は皆さんが免許を取るにあたって少しでも役に立てるようなブログにしていきたいと思っています。免許制度のことから運転テクニックまで、多くのことを書いていきたい。ではまた。